トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


第一の目的は、唱馬をさくらの家に入らせない事。
俺と唱馬の話し合いはどのタイミングでもできるけれど、さくらの家に唱馬を入れたくないのならさくらの家の前で唱馬を確保するしかない。

俺はナビゲーションの時計を見て、フフッと笑ってしまう。
もう深夜になろうとするこんな遅い時間に、さくらの家で唱馬を待ち伏せする?
自分の愚かさに笑いしか出てこない。
こうやって、さくらの存在はいつも俺の理性をぶっ殺す。
狼か?盛りの付いた犬か?の本能むき出しのただの獣でしかない今の俺に、冷静な判断なんて到底無理だ。
それでも、車はさくらの家へ向かっている。
馨月亭の広大な敷地の中にあるマンションを目指す俺の車は、また、来た道を戻っていた。
といっても、ただ国道を大きくUターンをしているだけだ。
この時点で、俺は何をしているのか…
でも、そうせずにはいられない。残念ながら。


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