No rain,No rainbow
ひんやりとした、灯りが落とされた館内を、律さんに手を引かれてゆっくり歩く。

抽象画や精巧な彫刻。

ポップなイラストやクロッキー画。

色々な絵や彫刻があって、芸術に詳しくない私でも十分に楽しめた。

「色々あって、おもしろいですねぇ」

「本当に。もっと退屈するかと思ってたんですけど」

なんて、声を落とした私に、

「はは。素直ですねぇ、あなたは」

でも、そんなあなたも、好き、です。

私と同じように声を落とした律さんは、顔を寄せてそんな風に、囁いた。




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