No rain,No rainbow
出口に近づくにつれ、嫌な予感がして。

「…律さん、律さん?なんだか外からザーザー音がしている気がしますけど、空耳、ですかね?」

「…んー、そうだと願いたい、ですね?」

「「……、」」

「…律さん、また、発動しましたね…?」

「…発動したくて、発動してるわけじゃ、ないんですよ…?」

神妙な顔の律さんを眺めていたら、可笑しくなって、土砂降りの雨なんてどうでも良くなってしまった。

顔を見合わせて、

「もしかして今、おんなじ事考えてます?」

「そうかも、しれません」

「…じゃあ。せーの、で、行動に移しちゃいましょうか?」

「移しちゃいましょう」

「「せーの!!」」


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