No rain,No rainbow
「…キス…が、欲しい…です」

見上げた目が愛おしい。

この目は私だけを写してくれる。

この目から流れるものはすべて、すべて受け止めてみせる。

誓いながら、キスを乞う。

何度もなんども落とされるキスに酔う。

やっと離れたくちびる。

でもまだ、離れがたい。

「…ちょっと、もう…あなたはなんて目で、オレを見つめるんでしょう」

もう…、お手上げ、ですよ。

降参するように、両手をあげて、そのまま私の腕を引っ張って、ソファーに座らせた。

「あ、ほら、誰かのせいで、溶けかけてる」

ミルクティーのアイスクリームをスプーンで掬って、そのまま私の口元まで運んでくれた。






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