No rain,No rainbow
「ありがとうございます。こんなに素敵な指輪を、死ぬまで着けれるなんて。いちど着けたら、二度と外しません」

宣言した私に。

「いやぁ。そう言って頂けると、職人冥利に尽きます」

丁寧に、お辞儀をした橘さん。

「この店の名前は『365日、毎日つけてもらえるアクセサリーを作る』って意味があるんです」

律と泉さんみたいなひとたちの日常を、ほんの少しでも彩れますように。って。

微笑みながら、律さんと私を眺める橘さん。

「ほんの少し、じゃないです」

「…え…?」

「こんなに素敵な指輪は、橘さんにしか作れないと思います。私と律さんを繋いでくれる、大切な指輪です。一生、大切にします」






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