成人の箱
成人の箱から
とある大学の合格発表の日、私は凍りそうな手で受験票を握りしめた。
「やった…!」
張り出された看板に自分の番号を見付けて、私は思わず声をあげる。成人の箱での出来事は夢のようで、地区センターで目を覚ましたときには霧がかかったように何も覚えていなかった。けれど、そこでは確かに誰かに励まされて、自信をもらった。大学も自分のやりたいことが出来るところを必死になって探した結果だった。
…そういえば、ルール説明の最後は何を言ってたんだろう。そこで出会った人がどうとか…
そんなことを考えていると、後ろであっと声がして足元にペンやら何やらが飛んできた。
「だ、大丈夫ですか?」
振り返って声を掛けると女の子は恥ずかしそうにお礼を言った。一緒に鞄の中身を拾っているとスッと横から手が伸びてきた。
「これもあなたの?ずいぶんボロボロね。」
そう言ってウサギの人形を差し出した。
「えー、作ったばっかりなんだけどな。」
「これ手作りなの?ずいぶん不恰こ…」
そこまで言って、人形を拾ってきた子は口をパチンと手で押さえた。「ひどっ!」と言われると「気のせいよ」と目を逸らしている。二人を見ていると、不思議と懐かしい感じがした。
「…あの…」
──そこで出会った人はあなたの人生の中で
「良かったら、一緒に学内を回りませんか?」
きっと、最高の友達となることでしょう。
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