ウソツキハート



「あんさん。また美和のストーカーだったらどうしよう?迷惑かけたら、すみません。」



綺麗にネイルが施された指。



まるでそれを見せびらかすように、あたしに向かって両手を合わせて謝ってくる。



実は先ほども、ぽっかりとお客さんが途切れた合間に、2人で品出しをしていた。



この3日間、ガードレールにもたれる男がやおら店に入ってきた。



すると美和ちゃんは缶コーヒーを選ぶ男に近づき、



「このダンボール、おもーい!!」



と、やったのだ。



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