ウソツキハート



あらたと並んで歩くときは、当然のことながら歩幅は揃わない。



背が高いあらたと、標準より少し小さなあたし。



あらたに遅れまいと早足で歩く。



「ワルイ。速かったな。」



いつかのように、歩調を緩めてくれたあらた。



「なんか、俺、最近必死なんだよ。」



隣を歩くあたしに、苦笑いを浮かべながら話すあらた。



「必死、って。どうして?」



あらたを見上げながら問いかける。



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