ウソツキハート
そろそろと、少しずつあらたに目線を戻した。
あたしは今、どんな顔をしているんだろう…?
あらたの目に映るあたしは、哀れに見えるだろうか…?
「何をそんなに、怖がってんの?」
「……!!」
そんなあらたの意外な言葉に、目を見開けば。
その刹那、あたしの背中を抱き寄せたのは誰でもないあらたで。
片手は背中を、片手はあたしの頭をゆっくり撫でた。
「…何が、怖い?」
呟かれたその声は、どうしてそんなに不安そうなんだろう…。
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