婚約破棄をお願いしたら、年下御曹司様の溺愛から逃げられません!
溺愛は甘くとろける。


「――圭吾」

「あっ、夏帆。きてくれたんだね」


 あれから二ヶ月後、今日は圭吾の卒業式で式が終わる時間に合わせてやってきた。


「圭吾が卒業する日だもの、来るわよ」

「ありがとう」

「はい、おめでとう」


 私は持ってきていた花束を圭吾に渡す。花を男性に渡すとか初めてでドキドキする。こんなに緊張することなのね……知らなかったわ。


「すごく嬉しい。ありがと」


 そんな話をしていると、中から男子生徒たちがやってきて圭吾のことを呼んでいたので私はそっちに行くように促すと後ろから名前を呼ばれる。

 この声、もしかして……。



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