もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい

✩✩旭SIDE


何度目かの
紬との話し合いをしている時に
紬の両親が事故にあったと
警察から連絡が入った。

俺は、紬と母と病院へと向かった。

病院に着くと直ぐに
説明があると言うことで
紬の動揺は激しく
俺は一緒に説明を聞く

紬の両親は、
先生方の懸命な治療も
虚しく亡くなってしまった。

紬の悲しみは深く
だが、時間は待ってくれなくて
お通夜や葬儀に追われる。

紬は、スタッフの人達に
言われるままに動いていた。
 
俺と母と結月ちゃんは
紬を気にしながらも
お通夜や葬儀に参列してくれた方々の
対応に追われていた。

秋元のご両親は、
人柄も良くて多くの方々が
お二人の為にお通夜や葬儀に
参列してくれていた。

母は、父の時に経験していたから
テキパキと動いてくれていた。

紬は、少しでも時間があくと
ぼぉーとして放心状態になるか
涙を流していた。
俺は、常に紬の側にいた。

葬儀の終わりに 
事故を起こした家族が来た時に
紬は、意識を失くし倒れた。

紬は、病院へと運ばれたが
三日間意識が戻らず心配した。

意識が戻っても
紬は、生きる気力がなく
俺は紬のそばから離れなかった。

会社も休んだ。
理由もきちんと話したが
いつまでになるかわからないが
それで首なら首で良いと
思っていた。
仕事より紬が大事だったから。

ある日······

「······旭······
  本当に······ありっ····がとう······
 明日、納骨してくる。」
と、言う紬。
「良いのか?
紬が一緒にいたいなら
いつまでも一緒に居て良いんだよ。
誰にも遠慮しなくて良いんだから。」
と、言うと
「うん。ありがとう。
でも、大丈夫。
ごめんね、会社、大丈夫かな?」
と、心配するから
「会社より、紬が大事だから。
正直、首なら首で良いと思っている。」
と、言うと
紬は、びっくりした顔をしたが
涙を流すから
俺は、紬を抱きしめて
「どうした?大丈夫か?」
と、訊ねると
紬は、首を振りながら
「大丈夫。
旭やお義母さん、結月には
沢山助けられて感謝しかないの。」
と、言うから
「当たり前だろ。家族なんだし。
それに俺が、
紬の側にいたかっただけだから。」
と、言うと
紬は、俺の腕の中で
何度も頷いていた。

しばらくすると
紬は、実家の整理をして
両親の家を売却した。

両親の保険や遺産の手続きは
結月ちゃんの
旦那さんである健太さんに全て任せた。

その間にマンションを
母が簡単に片付けてくれていた。
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