灼けるような恋の先。




お風呂から上がって水分補給をして
晄が変わらず爆睡してるのを確認した後



私と灯は灯の部屋に入った。






「なんか、緊張するね」



「はは、なんで?」



「なんでかな、毎日日を追う事に菫のこと好きになってるからかな」



「でたでた」






クサイセリフを言うところも可愛いからいいけど、灯以外からこんなこと言われたら鳥肌。



灯はクスクスと笑いながら、ベッドの横にあるゴムを手に取る。



だけど私はその手を掴んでとめた。






「今日は、それ無しでして欲しい」



「菫、それはダメだよ」



「いやだ。お願い…ちゃんと薬は飲むから。今日だけ。」






奴らは付けてくれなかったから。


今日だけはそのままの灯を感じたくてお願いすると、灯は悩みに悩む。






「俺は菫に少しでも不安を与えたくない」



「じゃあそれつけたら私は不安になる」



「でもね…」



「お願い。絶対に灯に迷惑はかけないから」






そんな私の言葉に灯は困ったようにしながらも頷いた。






「今日だけだよ。」



「ありがとう。」






今日だけ。それでいいの。
まだ私たちは子供だから、無責任なことはしたくないから。




私の気持ちをくみ取って灯は優しく微笑むと、そっと口付けをする。




優しく蕩けそうなキスに心が満たされている。




私は灯抜きの生活なんてもう想像も出来ないんだ。






< 63 / 199 >

この作品をシェア

pagetop