灼けるような恋の先。




「灯、救急車とか来たみたい」






ピーポーと音を鳴らしながら救急車と警察がやって来るのが聞こえた私は灯を抱きしめたままそう語り掛ける。






「す、みれ、」



「灯!」



「す、きだよ、じぶん、たい…せつ、にね」






苦しそうに途切れ途切れ紡がれる言葉に私はザワザワと心が苦しくなる。



どうして。



いや大丈夫、灯ならきっと無事だよ。


だってずっと一緒にいるって将来なことも考えたし、指輪だってくれたじゃん。






「灯、私は灯とずっと一緒だよ、大好きだよ」



「はは」






どんどん力が抜けていく血色の悪くなる灯の笑顔を見て私はなんだか涙が出そうになったのをこらえてただただ強く灯を抱きしめていたのだった。






それから晄と灯と楓ちゃんは救急車で運ばれて
私に色々聞き出そうな警察は今はとりあえずと灯に付き添って行かせてくれた。





救急車でもただただ不安でずっとずっと灯の血で濡れた時計の着いた腕を握りしめていたのだった。






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