ムボウビハート
「どうした?あんず。甘えたさんか?」
あらたの口から突如飛び出した、『甘えたさん』なんて可愛らしい単語に緩むのは、あたしの頬。
「…きゃ!!」
小さな悲鳴が漏れたのは、急に振り返ったあらたが、あたしを強く抱きしめたから。
「…あらた…どうし…!…ん…ッ…!!」
あたしのコトバ遮った、あらたのくちびる。
強く絡め取られたあたしの舌は、ビリビリと電流が走ったように、言うことをきいてはくれない。
あたしの後頭部と腰にまわされた、あらたの右手と左手の熱は、苦しいほど熱い。
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