ムボウビハート
heart×8


 「あんず、あんずー」



あたしを呼ぶ、あらたの声はいつだって、甘い。



まぶたに落とされたのは、柔らかく優しい温度の、くちづけ。



あらたの帰りをソファーで待つ間に、ふわふわと眠りの世界をさ迷っていた、あたし。



あらたの優しい声と囁き。



もう少しだけ浸っていたくて、ソファーの上で寝返りを打った。
 


その拍子に、あたしの長い髪の毛が左頬に落ちた。




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