課長と私のほのぼの婚
冬美も箸を取り、弁当を食べた。でもなんだか違和感がある。とりあえずお腹を満たしてから、訊いてみることにした。




食事が済むと冬美が洗い物をして、コーヒーを淹れた。

リビングに運ぶと、ソファーに陽一と並んで座り、今日あった出来事など話してから本題へと進む。


「課長って、美味しい食べ物が好きなんですよね」

「ん?」


冬美の質問に、陽一はよく分からないといった顔になるが、きちんと答えた。


「それはもちろん、好きですよ?」

「ですよね。あの、でもすみません。それなのに私、普通の卵とか、100円のパンを買ってしまいました」

「……」


彼が目を瞬かせる。


「ええと、ごめん……どういうことかな」


本当に分からないようだ。

冬美は率直に訊ねた。課長は高級食材と一流料理に精通するグルメなんですよね、と。

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