課長と私のほのぼの婚

大好きなあなたとほのぼの婚

翌朝――

食卓に着いた冬美の前に、熱々の料理が提供された。


「美味しそう~!」


コンロから下ろされたばかりのそれは、じゅうじゅうと音を立てて、冬美の食欲を刺激する。

スキレットで調理されたハムエッグだ。


「はい、コーヒーですよ」

「ありがとうございます。あれっ……」


陽一の姿をあらためて見つめた。


「ちゃんとエプロンを着けるんですね。ふふっ、なんか可愛い」

「可愛い?」


陽一は照れるが、まんざらでもなさそうだ。機嫌よく冬美の向かい側に座る。


「食べてみてください」

「はいっ。いただきま~す」


目玉焼きのとろりとした食感。ハムはぱりぱりと焼けて香ばしい。

調味料は普通の塩胡椒だ。調理器具が変わるだけで、こんなにも味が違うのかと冬美は感心する。


「いかがです?」

「実演最高! キャンプ場にいるみたい」

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