白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

「ここ?」

 着いたのは、都会の片隅なのに、広々としたなにもない土地が広がっている場所だった。

 たしか、昔の遊園地の跡地。
 檀田トラストが所有してたけど、何ができるかはまだ決まってなかったところだ……。

(ここが、琥白さんが私に見せたかったところ?)

 不思議に思って琥白さんを見ると、琥白さんは車から絵を出して、私に差し出した。

「これ、見てみろ」
「何ですか?」

 私は手元に目をやる。

「完成予想図。やっと構想が決まった。もう少ししたら発表する」

 そこに広がっていたのは……。
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