白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

「んっ」

 唇に琥白さんの唇が触れる感触がする。目を瞑っていても分かるくらいそれに慣れていたことに気付く。

 ちゅ、ちゅ、と何度も口づけられて、そのまま琥白さんの舌が口内を這いまわった。
 そのうち自分の舌を絡めとられて、耳をふさぎたくなる音が室内にこだまする。

 だめだ、もっとくらくらしてきた……。

「も、だめっ……っ!」

 立っていられなくなって、その場に座り込む。すると琥白さんは自分もひざを曲げて私に視線を合わせ、そのまま私の額に自分の額をくっつける。
 近くで琥白さんと目が合うと泣きそうになって、私は目をそらした。

「琥白さんのせいですから」

―――私が最後の最後でここで立ち止まってしまうのは……。

「あぁ。全部俺のせいだ」

 琥白さんははっきりそう言うと、そのまま私の頬を撫で、また唇に口づけた。
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