白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

「……昨日、こっちで琥白さんに会ったの」
「え? 昨日は琥白、日本にいるんじゃなかったの?」

 兄は、琥白さんのことを『琥白』と呼ぶ。小中で友人だったのだ。
 別に今も仲が悪いということはないが、事情があってここ数年、兄と琥白さんは会っていない。

「そう思ってたんだけど、急な仕事だったみたいでこっちに」
「そうなんだ」
「それにも驚いたんだけど、別れ際にキスされて」

「なっ、に、兄ちゃん、妹と旧友のそう言う話しはちょっと……!」
「それで、そのあと私が唇を手で拭ってるとこ見られた」

 私が言うと、兄は少し困ったような顔をして、息を吐いた。
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