スタンドバイユー
ずいっ。って、彼女が握った拳をあたしの胸の前に突き出して、





「飽きたから、返すわ」




あたしの手のひらの中に落としたのは……。





ピンキーリングで、





「あっ!ありがとうございますっ!!捜してたんですっ!!」





言ったあたしに、





困ったような、泣き出す寸前みたいな顔で、





「ホントに…あんたには、負けたわ。いとちゃんにも、すっごく、怒られたの。ごめんなさい」




あたしに頭を下げて。





「もう、いいです。大丈夫です」





アサミさんにもいつか、素敵な人が現れますように……。





祈りながら、その背中を見送った。






きっと、みんな1人1人に大事な人や、守りたい人がいて、




もしかしたら、生きている間に出逢えないかもしれない。




だから、あたしはいつも、あなたを大事にするよ。




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