一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「それにしてもすごく立派なホテルだね。ロビーの天井を見た? あんなに大きなシャンデリアは初めて見たよ」

 暖房が効いてきたのか、温まり始めた手をさすりながら濡れた靴下を脱ぐ。じっとりと湿った足が開放されると清々しい気持ちになった。

 彼がクリスマスの夜を過ごすために選んだホテルがここだ。大学二年生の私たちには少し豪華すぎる気もするが、初めてのお泊まりを迎える場所だと考えるとこれ以上ないほどふさわしく思える。

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