一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 唇からこぼれ出た質問を聞くと、深冬は少しだけ笑った。

「ひとりに」

「……嘘つき」

「嘘じゃない。お前以外を恋人と呼んだことはないからな」

 嘘つきともう一度言ってやりたかったのに、私を見つめる彼の目が真実を訴える。

「そんなに好きなら……もっとちゃんと探してくれればよかった」

「腕のいい探偵でもお前の足取りは追えなくてな。何度も引っ越しただろう?」

「……下の階の人が火事を起こしたり、大家さんが脱税で捕まったり、いろいろあったの」

 複数回引っ越した経験まで知っていても、彼は私を見つけられなかったのだ。

「こんな話はもういいでしょ。ご飯食べよう?」

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