片恋
時間が経つごとに、教室に人が続々と登校してくる。


あ、……違う。

そのたびに、思い描いた顔ではないことに勝手に落胆して、浮かせた腰を椅子に戻した。


伊月くん、まだかな……。


「おっはよー、真桜」

「あ、成美ちゃん、おはよう」

「んー? なんか、元気ないなぁ?」

「えへへ……」


成美ちゃんが教室に入るなり、私の席に来てくれた。

元気がないと言われたけれど、成美ちゃんの顔を見たら、それだけでとても安心した。
< 277 / 412 >

この作品をシェア

pagetop