片恋
はあ……と、ため息をついて、スクールバッグを片手に、立ち上がる。
席の離れた友達のところに行っていた延藤くんが、自分の席に戻ってきた。
「真桜ちゃん、今帰り?」
「あ、延藤くん。うん、さよなら」
「えー、なんか、他人行儀。可愛く『ばいばい』って言ってよ」
語尾にハートマークでも付きそうな『ばいばい』に、つい苦笑いをしてしまう。
そばにいる成美ちゃんは、「何、こいつ」とでも言いたげな表情で、眉を寄せていた。
「そっか、真桜ちゃん帰っちゃうのか。もっと話してみたかったんだけどな」
今日だけじゃなく、きっと明日からも隣の席だから、話す時間はいくらでもあると思うんだけど。
……きっと、冗談だよね?
今日初めて話したばかりで、「付き合わない?」だなんて。
席の離れた友達のところに行っていた延藤くんが、自分の席に戻ってきた。
「真桜ちゃん、今帰り?」
「あ、延藤くん。うん、さよなら」
「えー、なんか、他人行儀。可愛く『ばいばい』って言ってよ」
語尾にハートマークでも付きそうな『ばいばい』に、つい苦笑いをしてしまう。
そばにいる成美ちゃんは、「何、こいつ」とでも言いたげな表情で、眉を寄せていた。
「そっか、真桜ちゃん帰っちゃうのか。もっと話してみたかったんだけどな」
今日だけじゃなく、きっと明日からも隣の席だから、話す時間はいくらでもあると思うんだけど。
……きっと、冗談だよね?
今日初めて話したばかりで、「付き合わない?」だなんて。