シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する

捕獲

 その日からの数日は特に大きなことは何も起こらず一見平和な日々が続いた。

 金多くんもあれから話しかけてくるようなことはなく、わたしは友達も出来てある意味以前より充実していた。

 ……優姫さんが登校してこないこと以外は。


 みんなが連絡した限りでは、大事を取って休んでいるだけだという話だったけれど……。

 事情を知っているわたしが連絡した方がいいのかもしれないとも思ったけれど、わたしは彼女の連絡先を知らなかった。

 友達経由で教えてもらおうと思ったけれど、それはちょっと断られてしまう。


「前にちょっと勝手に連絡先教えたことでトラブっちゃったことがあって……本人の了承を得てからじゃないと教えなことにしてるんだ、あたし達」

「今教えて良いかなって聞いてはいるんだけど……」

「既読はついてるんだけど、それに対する返事がないんだよね……」

 今日も電話してみるからそのとき聞いてみるよ、と彼女達は言ってくれた。


 教えたくないのか、悩んでいるのか。

 分からないけれど、状況が分からないぶんやっぱり少し心配だった。


 自分がシェアハウスから連れ出さなければ、なんて言っていたし変に思いつめていなきゃいいけれど……。
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