その星、輝きません!
 とにかく良太を捕まえなければならない。

 コインパーキングに車を入れて、良太のアパートに向かって歩き出した。

 急に仕事を休んでしまい、気になる事は多々ある。来る途中で、サービスリアから何件も電話をしているうちに、到着するのが遅くなってしまった。


 あの、財布男のカウンセリングどうだったんだろうか? ちょっと、無責任な事してしまったが、怒ってなかっただろうか……
 でも、誰かと話せればそれで良かったのかもしれないし。
 薫が、確認したい事があるって言ってたけど、何だったのだろうか?

 あー。もー良太の奴!


 良太のアパートが見えてきた。少し足早に歩き出した時だ、すれ違った車が後ろで止まった気配がしたのだが、次の瞬間、ガシッと腕を誰かに掴まれた。


「きやぁ!」


 声を上げて、後ろを振り向いた。
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