その星、輝きません!
 空港と言っても、一日に国内便が四、五本離着陸する程度の小さな場所だ。駐車場に車を停め、空港の入り口へと向かった。

 えっ?

 ウソでしょ?

 思わず足が止まってしまった。空港の入り口だけ金色のオーラが漂っている気がする。


 入り口の柱に寄り掛かり、両手をズボンのポケットに突っ込み、こちらを向いて立っている人がいる。それは、それは絵になる美しさです。
 褒めている場合ではない。


 何故、ここに彼が居るのだろう?
 辺りを伺ってみる。良太の友達は空港のロビーにいるはずだ。彼の前を通り過ぎなければ、中には入れない。

 おはようございます、偶然ですねとでも、声をかけた方がいいのだろうか?
 声を出そうとしたと同時に、彼の手がすっと目の前に出された。

「行こうか?」

 彼は、表情一つ変えずに言った。

「何処へ?」

 多分だけど、私の答えは間違ってないと思う。


「行けば分かる」


 彼は、私の腕を掴み空港の中へと入って行った。


 ここへ来て気付いたが、ロビーには良太の友達など居ない。


「ちょ、ちょっとどういうつもりですか?」

 私は、腕を引き踏ん張った。

「ああ、そうか。知らない人の車は乗らないと言っていたが、飛行機ならいいだろ?」

「はい?」


 ロビーの窓から、ジェット機らしきものが見える。まさかと思うが……

「俺の所有しているジェット機だ」


 ぶっ倒れそうになった。頭が痛い。


 この男に何をどう説明すればいいんだろうか?


「今日は、そんなつもりで来ていないし。そもそも、あなたと約束もしていません!」

「そうだな。こんな所で会うなんて奇遇だな。」

 彼は自信満々な笑みを向けた。

 奇遇? そんな訳ないでしょ?
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