アラサー女子には、もったいない。
車を開けて、
隣の座席に、荷物を置き
席につく。シートベルトして
ドアを閉める瞬間
ーあの!ー
後ろから声がして、振り向くと
さっきの男の子が、走って
こちらに来る。
私は、あわてて
シートベルトを外し、
彼のもとへと向かう。
“え…え!?忘れ物…!?
ごめんなさい!”
ーえ、いや…その…っそ、
そうじゃなくて … ー
彼は、少し、呼吸を整えながら、
小さな声で話し出す。
“…え?”
私は、戸惑いながら
彼の言葉を待つ。


