BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
女 帝




「……ちゃん、……るーちゃーん」


眩しい光に紛れて、誰かの声が聞こえた。

この声……、わたしをこういう風に呼ぶ人は、ええっと~……。


まだ気だるい頭で考える。



「るーちゃん、授業行かないの? じゅ、ぎょ、う」


ジュギョー……?

じゅぎょう……



「っ、授業……っ!」


カッと目を見開いた。


「わお~」


と大げさに仰け反るのは今屋敷冽くん。


……って、冽くん!?

ここは千広くんの──KINGの部屋だよね。
なんでいるの!?

ていうか千広くんはどこに……!



「残念。このまま起きなかったらチューしちゃおっかなーって思ってたのに」


にこ~と微笑みながら、人差し指をわたしの唇に添える冽くん。

ぽわん、と思い起こされるのは真夜中の出来事。



「……っ、う」

「あれれ、お顔が真っ赤だね?」


「あ、はは、そんなことはない~。それより千広くんはどこに……」

「こーんな格好のるーちゃんが同じベッドにいたなんて、千広クンもタイヘンだったろうね……」
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