違いませんが、 違います‼︎
小話

お姉様方の悪巧み


第2章と3章の間



明日から連休という事もあり、みんないつもより早く出勤して早く帰っていく。

やりかけの仕事がないようにいつもより遅く帰るつもりだったが、
三枝に「今日は早く帰るように」と言われていた。


基本、毎日きっちりと仕事を終わらせていたので、お言葉に甘えていつもより少しだけ早く帰る。

明日から実家に帰るので、家に来ないで下さい

そう葉山に言いたかったが、生憎の出張。

帰ったらメールでもすればいいかと思っていたが、

「私が帰る頃には葉山さんも戻ってくるみたいだから言っておくよ」

という南沢さんの好意に甘えた。

今、思う。それがそもそもの間違いだったと。




「お疲れ様です」

帰社した葉山を捕まえる。

「お疲れ様です。二人揃って何か御用ですか?」

葉山はにこやかに返事をした。

ほんの少しだけ、トーンを落とす。

「坂本から話を聞きました」
「それが。何か?」

葉山のトーンも下がる。
メデューサ葉山の降臨だ。

「本当に急でびっくりしました。実家に帰るなんて」

本当に聞いてなかったようで、葉山の時が止まった。

畳み掛けるように

「私たちと仲良く出来ただけで幸せなんて・・・」
「私たちの方が・・・ね」

しんみりとした口調で三枝と南沢が顔を見合わせる。

「やっぱり帰りましたかぁ」
「はい」

どこからやってきたのか、斉藤部長がため息混じり会話に参加する。

「悩んでいたからねぇ」
「話を聞いてあげることしか出来なくって」

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