獅子組と私
「……んん…あ…飛鳥くん、おはよう」
夜が開けて目を覚ますと、飛鳥がジッと見つめていた。
「おはよ!椎那って、寝顔まで可愛いね~!」
「そんな…恥ずかしいよ…////」
顔を赤くし、手で顔を隠す椎那。

「あー、椎那!顔見せてよ~」
「い、嫌!」
もぞもぞと動き、ベットから這い出ようをする。

「椎那!逃げないで!」
飛鳥はそれを後ろから抱き締めた。
「ひゃあ!」
「なんで逃げるのー?」
「恥ずかしくて…////」
「だって可愛いんだもん!」
「……////」
「ほんと、可愛い~椎那」
「飛鳥くんの方が、どちらかというと可愛いよ?」
後ろを振り返り言うと、飛鳥は少しムッとして答えた。

「可愛いなんて、一番嫌いな言葉だよ」

「え……飛鳥…くん…?」
一瞬で飛鳥を包む雰囲気が、真っ黒に染まった。

「二度と僕のこと“可愛い”なんて言わないで」

「う、うん、ごめん…なさい」
椎那は怯えたように、瞳を揺らした。
「…………はっ!ごめんね!椎那に怒ったんじゃないからね!」
我に返ったように、弁解する飛鳥だった。

二人でリビングに向かうと、丈治と永悟が朝食の準備をしていた。
「おはようございますっ!キング、椎那さん」
「おはよ」
「おはよう!
あ!私も手伝わせて!」
キッチンに行こうとする椎那。

「あ!椎那!行かないで!」
すかさず、飛鳥が抱き締め止める。
「え?でも、朝食の準備…」
「いいの!その為に、丈治と永悟がいるんだから!」
「椎那さん、それも俺達の仕事みたいなもんなんで、気にしないでください!」
「椎那さんは、座っててください!」
丈治と永悟が、テーブルにセッティングしながら言ったのだった。

「はよー」
道彦や滉二、一朗も起きてきて、みんなで朝食をとり仕事に出る椎那。



「………あの…」
「ん?」
「みんなで行くの?確か、みんなは午後からだよね?講義」
飛鳥と手を繋ぎ歩く椎那が、道彦、滉二、一朗を見上げて言った。
「あ!俺達のことは気にしないで?
空気みたいに思ってくれたらいいから!」
「そう言われても………」
道彦の言葉に、苦笑いをする椎那。
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