獅子組と私
「んん……あ…ぁ…だめぇ…」
その日の晩、部屋に戻り椎那は飛鳥に抱かれていた。

「椎那…まだ、イカないで……?」
「飛鳥く…噛んで…?
飛鳥くんが見えない……」

椎那が飛鳥に手を伸ばす。
その小さな手に指を絡めて繋ぎ、椎那の胸元を甘く噛んだ。

「んんぁっ…!!!」
「僕を見て?見える?」
「ん…あす、かく……」

そして何度か果てて、飛鳥の腕枕で横になっている椎那。
椎那が飛鳥の頭を撫でている。
「なんか、気持ちいい…」
「そう?じゃあ、ずっと撫でててあげるね!」
「ふと思ったんだけど、椎那って哲士に似てる…!
実はさっきも思ったんだ!
椎那が家族みたいなものって言った時」
「え?そうなの?」
「寛大なとこが!だから惚れたのかな~?」
「フフ…そっか!
私も会って見たかったなぁ。哲士さん。
きっと素敵な人なんだろうなぁ!」

「………」
「飛鳥くん?」
「もし、哲士が生きてたとしても絶対!会わさないもん!」
「えーー!なんで!?」
「椎那が哲士に、取られそうだから」
「何言ってんの?私が好きなのは、飛鳥くんだよ!
それに、哲士さんは琴子ちゃんの彼氏さんでしょ?」

「それでも!!椎那…絶対、惚れるよきっと!」

「………じゃあ、惚れる!」
「あーー!やっぱ、そうじゃーん!」
「飛鳥くんが変なこと言うからでしょ!?」

「椎那は僕だけのモノなんだから!」
「飛鳥くんも私だけのモノ!」
「フッ…!!」
「フフ…」
笑い合う、二人。


「椎那、これからもよろしくね!」

「こちらこそ!!」
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