獅子組と私
男「なんだよ、君!手を離せ!!」
椎那達女性を近くのベンチに待機させ、飛鳥達は男を人気のない所へ連れていった。

飛鳥「は?椎那のお尻触ったんでしょ!?
何があっても、絶対、離さないよ!」
道彦「最低だな!じじぃ!」
滉二「椎那ちゃんに、謝りなよ!!」
一朗「てか、まず土下座だな!」

飛鳥「僕の大切な椎那のお尻を触るなんて…気色悪くて、吐き気がするよ……」
飛鳥の男を握る手の力が、徐々に強くなっていく。

男「い、痛い!!頼む…!離してくれ……」
飛鳥「この手が、僕の椎那に……」
男「頼む……ほんとに、骨が折れる…」

すると、ボキボキボキ…!!と鈍い音がして男の手の骨が折られた。

男「うがぁぁぁぁーーーーー!!!いてぇぇぇーーー!!!」
地面にのたうち回る男。

飛鳥「いい?次やったら……骨折だけじゃ済まないよ?」

そう言うと、飛鳥達はその場を去ったのだった。


飛鳥「椎那!!」
椎那「あ、飛鳥くん!良かった!戻ってきてくれた!大丈夫だった?」
飛鳥「うん!大丈夫だよ!椎那こそ、大丈夫?」
椎那「大丈夫だよ!ありがとう!」

駅の改札を出て、バス停に行く。
椎那「えーと……ちょっと時間があるみたい」
飛鳥「じゃあさ、煙草吸っていい?」
道彦「じゃあ…俺も~」
一朗「俺も!」

滉二「俺は、いいや!
椎那ちゃん達と待ってるよ!」

近くの公園に立ち寄った。
椎那と滉二、清美と琴子で、二つのベンチに座っている。

滉二「なんか……こうして見ると、みんなカッコいいのにちょっとガラが悪いね(笑)!」
飛鳥達を見ながら、滉二が呟いた。
椎那「ん…」
椎那の返事がないなと思っていると、滉二は肩に重みを感じた。

滉二「え?椎…那…ちゃん…?」
椎那は滉二の肩に頭を乗せ、うたた寝をしていた。

滉二「ど、どうしよう…
動けない……」
滉二は固まっていた。

滉二は椎那に好意をもっている。
もちろん、飛鳥から奪うつもりはない。
でもこの状況は、滉二の身体を昂らせるには十分だった。
ゆっくり椎那の頭を撫でた。
椎那「飛鳥…く…ギュッ…て……して…」
更にすり寄り、滉二の服を握る椎那。

滉二は複雑な変な気分だった。
滉二「可愛い…」
椎那が好きなのは、飛鳥。
それは十分わかっている。
でも………

そして、飛鳥達。
道彦「もうそろそろ、行こうぜ!
清美達が待ちくたびれ━━━━━━ゲッ…!!」
飛鳥「ん?ミチ?」
一朗「ゲッ!飛鳥、見るな!!」
飛鳥「は?何ー?
━━━━━━━!!!」
一瞬で飛鳥は、椎那の元に向かった。
道彦と一朗も後に続く。

飛鳥「コウ!!椎那を離して!!」
滉二「だって、寝てるんだもん!無理やり起こしたら、可哀想でしょ?」
飛鳥「……………椎那、起きて?バス来るよ!」
椎那「んんっ…飛鳥くん…」

飛鳥が揺すると、椎那が更に滉二に抱きつく。
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