光の向こうへ
第一章 最後の一年
「行ってきます」

誰もいない部屋に挨拶を告げて、外に一歩踏み出す。
暖かな風が春を感じさせる。

「おはよう、なおちゃん」

「おはよう」

隣に住んでいる幼なじみのはるかと合流し、学校に向かう。

4月7日月曜日。天気は晴れ。
今日から、中学最後の一年が始まる。

「クラス分けどうなるかな」

「なんでもいい」

「相変わらず冷めてるね」

「はるかがこだわり過ぎてるだけだよ」

「だって、中学最後の年だよ?三月でみんなとお別れだよ?」

「同じ高校に行く人いるだろ」

「まあそうなんだけどさー。」

学校まで続く道にある桜並木が、綺麗で思わず目を奪われてしまう。何度見ても、見飽きない美しさ。
でも、いつか見た時より少し桜が散ってしまっている。

風景は、今1秒ごとに変化しているのに僕の日常は変わらない。
今日も、幼馴染とくだらない会話を繰り広げ、学校に行き、なんとなくで1日がおわり、また朝がやってくる。その繰り返しだ。
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