神、恋に落ちる
神、恋に溺れる
「え!!?私、ここに住むんですか!?」
「うん、もう片時も放れたくない!」

リビングに移動して、ソファで遅い朝食をとる二人。
命が白羽を抱っこしたいと言い出し、顔を赤くしながら命の足の間に座っている、白羽。

驚き、後ろを振り返り言った。
「お願い…白羽…俺を一人にしないで…?
傍にいて……」
命がそのまま白羽を抱き締め、すがるように耳元で呟いた。

そのすがる甘い声と、浸透するようなトーンに白羽は何も考えられなくなる。

「はい…命さんの、傍にいます……」
白羽は後ろから延びている命の腕に顔を埋めて呟いた。
「ほんと…?」
「はい…」
「フフ…嬉しい~!ありがと、白羽!
大好きだよ!」


白羽が、仕事があるからと一度自分の家に帰ろうとすると“仕事も辞めるんだよ”と当然のように言われた。
「………え?仕事もですか?」
「うん、そうだよ。白羽はね、もう俺から放れられないの。だから、どこに行くのも俺と一緒!!
わかった?」
「………」

「白羽…俺から、放れないで……?」
白羽の頬を両手で包み込み、目を覗き込んで言い聞かせるように言った、命。
「はい…」
また催眠に入ったように、白羽の中に“神石 命”が浸透した。


「ん。じゃあ…今日は今から引っ越しだよ?
とりあえず、白羽の最低限の荷物を持ってこよう!
あ!それか、ぜーんぶ今から買いに行こうか?
服や靴やバック!
あと、アクセサリー!俺のモノって証を身につけようね!
うん!そうしよう!俺が白羽の身につける物選んであげる!」
「そんな…ダメですよ!!
それに、一度着替えたいです。
どっちにしても、一度家に行きたいです」



そして二人は、白羽のアパートに向かった。

「可愛い部屋!!
白羽みたいにちっちゃいし、家具も可愛い~!!」
「そ、そうですか?
命さんのマンションが広過ぎなんですよ!」
白羽はキャリーバッグに、最低限の服や下着等を詰め込んでいく。
「可愛い……」
白羽がうろうろしているのを、小さなテーブルに頬杖をついて見つめている命。
うっとりとして言った。

「あ…これ…////」
「ん?何ー?
…………可愛い~!これって、ベビードールだよね?」
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