君の声色

弟 〜結斗side〜


「今朝の子の情報だ」
「結構有名な子だったよ〜!」
有名…?
俺は2人の言葉に目を見開いた。
そして俺は早速、真に教えてもらった。
「彼女の名前は立花陽菜。2年A組の子だ」
2年A組…立花…陽菜。
どこかで見たような…?
名前を知れただけで俺はなんだか嬉しくなった。
「それで立花陽菜は…耳があまり聴こえないらしい」
「…らしい?」
「情報的には聴こえない。聞いてみたところ、立花陽菜は出席確認でもいつも返事をせず、質問しても無反応だそうだ。たまに頷いたり反応はするそうだ」
「聴こえないでいいんじゃない〜?」
「俺もそう思う。まあそれでもう1つ。クラスメイトの中で彼女の声を聞いたものはいないそうだ。1年の時のクラスメイトにも聞いてみたが同じだった。いつからそうなのかはわからない」
声を聞いた者はいないって…。
でも今日…今朝もさっきも彼女は…喋ってた!
『…こ、れっ!!』
ちゃんと喋っていた。
でも途中途中…途切れてた?
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