クラスの男子が全員、元カレだった件
広田博と話すと、楽しいんだけど、長い。
これが私がめんどくさいと思っていた理由だ。
広田博と話していると、時間がいくらあっても足りない。だから、電話しようものなら、気が付いたら朝になっているなんてこともよくあった。
でも、自分の身を削って、家族を不幸にさせないように明るく振る舞っているところは、付き合ってから広田博の本性を知った私も好きだった。
もちろんそれは、友達としてだけど、もしも困っていることがあったら、助けてあげたいと思っている。
そうだ!
「ねえ、博くん。宏子ちゃんのデートっていつなの?」
「確か、今週の日曜日って言ってたかしら」
「じゃあさ、私もアルバイトしようかな。宏子ちゃんの初デート応援したいし!」
「ええ? それはさすがに悪いわよ。それに中学生のデート代なら、これ売ったら、十分だし」
「そうかもしれないけど、実は私、それ返したくないなって思ってたの。だから、デート代は私がバイトして稼いであげる」
「ホントいいって……」
「いいの! 決めたの! さあ、博くん。早速日払いのアルバイト探して?」