クラスの男子が全員、元カレだった件




そうして迎えた放課後。


余計な体力を使わなくて済んだ私は、早速昨日電話した会社に面接へ行く。


会社は工場だった。車の部品を加工・梱包する工場で、5時から21時までの4時間。時給860円。おまけに日払い制。なかなかの好条件だった。


工場へ行くと、事務室に通されて、昼休みに書いた履歴書を工場長に渡した。


「力仕事も少しはあるけど、その辺は大丈夫そうかな?」


「はい! 全然大丈夫です! バドミントンもちゃんとできます!」


「バドミントンは知らないけど、でも元気あっていいね」


なかなか物腰の柔らかい、優しい感じの人だった。


ただ、一つ、


「へえ、瀬花の生徒なんだ? 実は僕の娘も瀬花だったんだよ」


と言った時は、どこか寂しそうな表情をしたところが印象的だった。


「それじゃあ、早速だけど今日からお願いできないかな?」


「あ、ぜひよろしくお願いいたします!」



< 110 / 406 >

この作品をシェア

pagetop