クラスの男子が全員、元カレだった件
そうして迎えた放課後。
余計な体力を使わなくて済んだ私は、早速昨日電話した会社に面接へ行く。
会社は工場だった。車の部品を加工・梱包する工場で、5時から21時までの4時間。時給860円。おまけに日払い制。なかなかの好条件だった。
工場へ行くと、事務室に通されて、昼休みに書いた履歴書を工場長に渡した。
「力仕事も少しはあるけど、その辺は大丈夫そうかな?」
「はい! 全然大丈夫です! バドミントンもちゃんとできます!」
「バドミントンは知らないけど、でも元気あっていいね」
なかなか物腰の柔らかい、優しい感じの人だった。
ただ、一つ、
「へえ、瀬花の生徒なんだ? 実は僕の娘も瀬花だったんだよ」
と言った時は、どこか寂しそうな表情をしたところが印象的だった。
「それじゃあ、早速だけど今日からお願いできないかな?」
「あ、ぜひよろしくお願いいたします!」