クラスの男子が全員、元カレだった件




そんな感じで授業は進んでいく。


90分やって、10分の休憩。そしてまた90分別の教科の授業、また10分休憩。


「あー、ダメだ」と今日最後の授業の前の10分休憩の時、メイドさんが出してくれたコーラを飲みながら高橋隆人が言った。


「俺は全然基本が理解できてないことがよくわかった」


まあ、気づくだけ大したものだと思ったけど、そんな彼でも一応特進クラスなのだ。


青山碧にしろ、柊主人公にしろ、どうして特進クラスに入れたのか。本当にわからない。


それこそ米米ちゃんこと、米倉米子が言ってたことの方が正しいのかもしれない。


「残念だな、高橋」とメイドさんが出してくれたりんごジュースを飲みながら、柊主人公が言う。


「俺なんか『ホーテーシキ』ってやつ覚えたもんね!」


誤解のないように言っておくが、私立瀬花高校は進学校だ。偏差値も私が受験した時には、56くらいあって、倍率も1.4倍ほどあった。


柊主人公の場合、編入試験にどんな問題が出たのかわからないが、多分替え玉受験か、教師を脅したんじゃないかと噂されるほど頭が悪い。おそらく、青山碧や高橋隆人の方がマシだ。


そんな柊主人公が編入してきたのは2年生の時だから、特進クラスには実力で入るしかない。


本当に選考基準がわからない。周りがバカすぎても、足りないくらい柊主人公はバカなのだ。



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