クラスの男子が全員、元カレだった件




「わかった」と私は観念した。


「あげる。あげるけど、その代わりに何かで埋め合わせすること。いい? ラーメンを奢るとか、一日私の使いパシリになるとか、そういうことだからね? その条件が呑めるなら……」


「呑む、呑む! 吞みます! 呑み干します!」


こうやって食い気味で言われると、不安になるし、何よりイラっとする。


でも、もういいや。どうでも。


「じゃあ、はい」


「やったー! サンキューな! んじゃ、お二人さん、僕はここで」


と私たちに見向きもせずに、横断歩道を渡ろうとして、何か忘れたみたいに、慌てて戻ってきた。


「あ、これ、僕が当てたやつ。良かったら」



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