【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 一人の生徒が選んだ本は『ネコの恩返し』という、幼児向けの絵本だ。これならアイリーンも知っている。この本はいろんな国の言葉に翻訳されていて、子供のときに必ず読む本の定番になっている。絵本には絵が描いてあるが、絵本ではない本には絵が入らないのがこの世界の本の特徴。

「こんな感じで良いですか?」

「はい。ありがとうございます。可愛いネコちゃんです」
 この生徒のポップは、幼い子も読みやすいように工夫されて書かれている。難しい字を使っていない。読みやすい文字。絵本と一緒に並べたい。

「私にも絵を描いていただけないでしょうか」
 もう一人の生徒が言う。
「あの、魔女を描いて欲しいです」
 この生徒が選んだ本は『雪の魔女』。こちらはファンタジー小説の定番。アイリーンも読んだことがある。

 アイリーンが読んだ時の魔女のイメージを描いてみる。
「かっこいい魔女さんです」
 二人の女子生徒は大満足のようだ。できればこの二人が作ったポップも、部室に並べておきたいなと思う。

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