【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ああ、その話か。ちょっと状況がかわったから、なかったことにしておいてくれ」

「おいおいおいおい。状況がかわったって、あれから三日しか経っていないぞ?」

「三日も経てば、状況はかわるだろ? まだリーンにも言っていなかったのだから。なかったことにしておいてくれ。それに私は君に相談しただけだ」

「なんだよ。ランスに手紙を書いてしまったじゃないか」

「では、私があちらで会った時にでも伝えておくよ」

 モントーヤ伯と父親の会話は謎だったが、二人の仲が良いということだけは伝わった。モイラにも止められているから、これ以上は自主規制。

「そういえば、リーン。アスカリッドの方はどうだったのかな?」
 モントーヤ伯が話題を振ってくれたので、アイリーンが口を開く機会ができた。
 部活のこと、生徒会のこと、勉強のこと。一通り喋る。

「留学しただけでもすごいのに、いろいろと手広くやっているんだね」

「それは、学友に恵まれたからです。私一人の力では、何もできませんから」

「そういう、謙虚なところもいいよね」
 モントーヤ伯は、楽しそうに笑顔を浮かべていた。そこに鋭い眼光を感じたのだが、それの主が父親であったため、アイリーンは微妙な感じになった。

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