【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「そうそう、リーン。テストが終わったから、来月からは生徒会の方もお願いね。卒業パーティの準備とか段取りとかがあるの」

「卒業パーティですか」

「そうそう」
 ノエルは楽しそうに口元を歪めている。

「文芸部の方はどうしますか? 部長たちの送別会。って、元部長のほうです」

「はいはい。リーンが言う部長がヘレンじゃないことくらいわかってますよ」

 文芸部も三年生が引退した後は、ヘレンが部長、ノエルが副部長を引き継いだ。引退といっても、そこそこ進路が決まっているルークとサラは、たまにというかわりと文芸部に遊びに来る。
 アイリーンはついついルークのことを部長と呼んでしまう。ついつい。

「そういえば、サラ先輩って。リーンがあのアイであること知ってるの?」

「知っているか知らないかは知らないですけど。なんとなく気付いているのではないかと思っています。言わないだけで」

「あー。サラ先輩なら言わなそうな気がする。でもリーンが挿絵描いてることに気付いてて、一人で喜んでそう。じゃあさ、サラ先輩にはリーンのサイン本でもプレゼントしちゃえば?」

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