【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 そして好きなものを得た人間は強い。好きなものを摂取するために、異国の言葉で書かれた本を読みたいという気持ちになり、その気持ちが語学勉強をはかどらせる。さらに、その本を翻訳して同志にも広めよう、という気にさせるからだ。その好きなものがアイリーンにとってビーエル本。
 留学までにはまだ時間がある。その時間も語学の勉強にあてよう。
 彼女は確固たる目標を持っている。その目標を同志たちのためにも必ず叶える。その意気込みを胸にしっかりと刻んだ。

「リーン様。留学は二年間ですよね」
 ジジが尋ねる。
「ええ、そのつもり。高等部の二学年に進学するタイミングで、あちらの学校に編入するわ」

「では、卒業パーティもご一緒できないのですね」
 エレナが寂しそうに言う。

「でも、卒業後は必ず戻ってきます。だって、戻ってこないことにはこの国にビーエル本を広めることができないでしょう。それが最終的な目標ですから。だから、成人の祝いはみんなで行いましょうね」

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