彷徨う私は闇夜の花に囚われて



いっそ、これを機に他の人との繋がりを整理してもいいかもしれない。


それで、繋がりがある人以外には見られないように鍵をかけてしまおう。


「このボタンだっけ……?」


自分のフォロワーリストを表示し、右端にあるボタンを押下した。


たちまち、リストから消えるパンジーさん。


面白いくらいにあっさりといなくなった。


それから続けて、先程の配信で私と会いたいと言っていたフォロワーたちを自分の覚えている限り削除していく。


ボタン一つで自分の世界から人を排除できる。


相手の世界からも自分を消せる。


自分の呟きを見る人も限定できる。


ネットの世界は便利で。


それでいて、現実よりも繋がりが脆いものなんだと。乾いた笑みが零れた。



◇ ◇ ◇



繋がりを一掃してから数日が経った頃。



『見てね』



前回のメッセージよりもさらに短い文。


……と、今度は画像が送られてきた。


今もなお、不登校を貫いているすみれちゃんから。


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