彷徨う私は闇夜の花に囚われて

心強い味方




「―――と、詳細はこんな感じです……」


冬の鋭さも少しだけ和らぐ日曜日の昼下がり。


特別仲のいい二人に対して、私は事の顛末(てんまつ)を細かく話してみせた。


紅バラさんともう一人、ツバキくんという同い年の男の子に。


「えぇー、怖すぎる……」


電話越しに怯えているのがツバキくん。


ツバキくんと知り合ったのはつい1か月前のこと。


ツバキくんが私の配信に来てくれたことから交流が始まった。


ツバキくんはそれなりに有名なインフルエンサーってやつらしく、映える食べ物や雑貨をよくSNS上にアップしている。


私はしっかり通知をオンにしてチェックしているのだけど、全部美味しそうに映っているのが毎度驚かされてしまって……何回お腹の虫が鳴いたか覚えてないや。


「そんなやつ、警察に突き出せばよかったのに!」

「でも、一応無事だったしいいかなって」

「そういう問題じゃないの!!」


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