冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
 蝶子を横抱きに持ちあげると、はやる気持ちを抑えながら部屋へと足を速めた。

 部屋に入ると、晴臣はそっと蝶子をおろし、扉に鍵をかける。照明をつけるほんのわずかな時間すら惜しんで、月明りを頼りに蝶子を壁際へと追いつめる。

「君が散々煽るから、もう限界だ」

 獣のように舌なめずりをして、晴臣は蝶子に口づける。深く、激しいキスの合間に彼女の浴衣の裾から手を侵入させて太ももを撫でる。外側から内側へゆっくり手のひらを移動させると、ぴたりと閉じていた彼女の膝が少しずつゆるんで晴臣を受け入れる。

「月に逃げ帰ってしまわないように、たっぷりと俺に溺れてもらおうか」

 理性も余裕もなく、晴臣は本能のままに蝶子を抱いた。自身の下で淫らに揺れる彼女に誘われように、何度も何度も熱を注ぐ。彼女の身体を壊してしまうんじゃないかと心配になるほどだったが、すさまじい渇望は晴臣自身にも制御不可能だった。










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