約束の指にキスして。
『…そーですか。つか、瑛梨遅くね??』

『だからな。こんないい男二人待たせといてなにしてんだか…。』
二人で太陽に仰向け。
そろそろ皮膚が痛くなってきた。健司は言った。

俺は最近、瑛梨が友達か女か分かんなくなってきた、と。

それっきり黙って、寝たように静かになった。

友達か女か分かんなくなったって?

瑛梨は女だし友達。

俺の一番大切なもの。
失いたくないもの。
守りたいもの。

それだけだ。

それだけじゃ駄目か?

< 114 / 526 >

この作品をシェア

pagetop