約束の指にキスして。
『おにーちゃん。せんぱーい。』
探していると、でっかい背の男が、梓先輩の肩に手をおきながら片方の手をブンブンふってるのが見えた。
かけよると、かき氷を手にお兄ちゃんは私を残念な目でみた。

『えーーー。なんで上きてんの?勿体ねぇ…』

『勿体ねぇって……あ!』

水着の上に半袖パーカーを着た私を、お兄ちゃんの隣で懐かしそうな目で見る、一人の男の人がいた。

お兄ちゃんより少し背の高い、お洒落な黒髪の、カッコいい人。



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